top of page

移行期医療を考える研修会が開催されました

  • setagaya-mamorukai
  • 3月4日
  • 読了時間: 6分

更新日:3月5日

日 時:令和7年1月24日(金)10:30〜12:00

会 場:世田谷区保健医療福祉総合プラザ 会議室1


テーマ

「移行期医療を考えてみませんか〜小児科から成人医療へ〜」


講 師:国立研究開発法人国立成育医療研究センタ-

総合診療部 在宅診療科部長

医療連携・患者支援センタ- 在宅医療支援室

室長 中村 知夫 先生


演 題:「成育医療研究センターにおける成人医療の取り組みについて」

参加者:37名

 


講演では、成育医療研究センターで取り組んでいるトランジション外来等成人移行支援を中心に、「大人になりゆく」患者さんへの最も適切な医療のあり方のお話を伺いました。地域の医療機関や訪問診療所との連携、意思決定支援や多職種連携のACP、地域の支援者との連携、法制度の理解など、小児科だけの問題ではなく、子どもたちの成人医療のためには、親、家族、地域等も関わって、考え、動かなければならない等、お話しいただきました。

 今回は、分会会員の他、他団体、施設職員、特別支援学校教員・保護者、行政の方にもご参加いただきました。

 

<感想〜保護者・当事者団体〜>


Ø  移行期支援というと、小児から成人になって小児科の分野ではできない治療を行うことだと思っていましたが、移行期医療とは、生まれてから治療が必要になった時に、その時々の症状から「目的を持って計画的に移行させることである」ことを学びました。


Ø  昨年症状に変化があって、子どもの頃からの薬では合わなくなってきたので、脳波の検査などをして服薬の変更をしてからは、安定しています。このように、今の状況に合った治療を続けるのも移行期医療に必要なことだと思いました。


Ø  本日の内容はいつも外来でおっしゃっていたことも含め、とても今必要な内容でした。外来でお会いするところしか知りませんが、日々たくさんのことにご尽力いただいており、感謝の気持ちでいっぱいです。このような講演会を開催してくださりありがとうございました。


Ø  楽しいお話と制度やこれからの取り組み、親の考え方など勉強になりました。


Ø  中村先生の大きな明るいトークに引きつけられました。楽しく素敵なお話でした。参加させていただきありがとうございました。


Ø  子どもは国立小児病院時代からお世話になり、成育に移ったあと38歳で主治医の退職とともに成育を卒業しました。成育を出る数年前から近隣の大学病院にも成育から連絡をとってもらってかかるようにし、1年前からは、今後の主治医として地域の訪問診療を開始しました。訪問診療、訪問看護、大学病院との連携等で、子どもの成人医療に関して問題はありませんでした。成人医療のためには地域の中での連携に加えて、親の努力も必要であることを再認識しました。


Ø  当人も保護者も老人になった時、また別の移行が必要になりそうです。まだ事例は少ないでしょうけれど、どのような検討が医療側、行政側でされているか気になります。


Ø  とても考えさせられる内容でした。移行〜ACPまで考えました。自分はすでに38才の娘がおり、移行を済ませている身ではありますが、後輩へのアドバイスのために有用なお話を聞くことができました。主治医のリタイヤを何名も経験し、在宅医療・訪問診療に移行しました。子どもはGHに入り、そこでの看取りになっても良いように思いますが、そこも継続するのか、人材確保他不安もあり、訪問診療医の先生から普段の様子を見ていただける病院を紹介していただき、子どもの理解者を増やしていきたいと思います。


Ø  支援者側の苦悩もよく理解できました。親側の姿勢を考えることも大切であり、感謝の言葉を伝えていきたいと思います。


Ø  自分自身もネットワークを広げていくべきと思いました。世田谷の方の経験談が良かったです。


Ø  医師の立場から、移行期医療の病院側の内情も伺えて、腑に落ちた点が多くありました。中村先生と同じような考えの先生、地域の携わる方が増えていただきたいのと同時に、保護者も成熟していかないと…と思いました。迷いながら、地道に…ですね。


Ø  意思決定支援、初めて聞く言葉でした。地域で安心してその人らしく暮らす、いろいろと考えさせられました。親亡き後、自分が介護できなくなった時のこと、本人の気持ちが分かる人、支えてくれる人、準備が必要ということ分かりました。不安に思っていましたがやるべき事が明確になりました。


Ø  今日の話の中の一つになるかと思いますが、18才以降のショートステイ先が悩みです。もみじの家後のショート先が見つかっていません。


Ø  先生のお話をお聞きして、医療だけでなく地域との繋がりや、いろいろな成人移行に対しての考え方を知らないことが多く、とても良い機会となりました。


Ø  先生のおっしゃっていることはごもっとも。いつまでも小児の治療はできないと周りから聞いていたので20〜30歳位の時から成育と東京医療センター両方で通院していました。先生の異動とともに東京医療センターと地域の医院のお世話になり現在とっても良いです。(子ども40代)


Ø  身体障害(主に脳性麻痺)の当事者団体として活動してきて45年が経ちました。当時20代だった者も高齢、重度化し、医療との関係も深まっています。本人(家族)⇔医療⇔地域との関係をどうネットワーク化するかが重要だという点で、障害の種別などを超えて共通の課題だと再認識しました。


Ø  私共の法人に、数年前から医療的ケアが必要な人のヘルパー派遣が増加しています。しかし、スタッフ、ヘルパーの資格、スキル、意識の問題があり、ほとんどお受けできていません。今後も学習させていただければ幸いです。


<感想〜支援者〜>


Ø  医療的移行も必要であるが、社会が支えることが成人移行の根幹であるという考え方、とてもわかりやすく学びがありました。地域支援なくして、成人移行はできないと理解できました。


Ø  少しでも医療的ケア児者の理解などが進められるよう、学びの場を作っていけるようにしたいと思います。


Ø  成育にかかっていた利用者が次の病院を探すのにとても苦労しました。「成育に追い出された」感がありましたが、もっと若い時から準備していかなければならなかったのだと思いました。成育も頑張っていること、地域との連携や地域資源の開発などの必要性を感じました。


Ø  大人になったから、成人の病院に移行しなくてはいけないのではなく、本人のために必要だから、困らないために、早めに移行について考え準備していく大切さを感じました。しかし現時点では、社会の仕組み、受け皿が充分ではないため、課題もまだまだたくさんあることを感じました。(意向を受けてくれる地域の病院が少ない、どう探したら良いか難しい。地域のかかりつけ医を持つにも、断られる、断られないまでも、責任は持てないけどそれでも良いかと言われる。)


Ø  親御さんやご家族の意思、意見が強く、「ご本人の意思」をなかなか反映されていないことを痛感しました。地域に住むこと、どのように生活していきたいのかを明確にしていくことが大切で、自分 (ご本人) が選択していくその過程を情報もお金も人も含めて丁寧に扱う、ご本人が自立できる生活を目指していくべきと強く感じました。


Ø  利用者さんのお母様、ご家族の思いを直に聞けたこと、大変貴重な学びとなりました。ありがとうございました。より良い支援に繋げていきたいと思っております。


Ø  成育医療研究センターとしてトランジション外来の立ち上げを知り、成人期の方々が抱えられている問題に取り組まれていることを知り、勉強になりました。お話を聞いて、地域・社会で支えていける一員として頑張りたいと思いました。


Ø  地域移行のお話もよく分かりました。ありがとうございました。中村先生のお考えをもっと世の中に知ってもらいたいです。



 
 
bottom of page